RYS白熱教室その四「泳ぐDNA」
本校が実施している企画「学問探究団RYS」、そのスピンオフ企画で、外部講師の方にご来校いただき、出張授業をしていただくのが「白熱教室」シリーズです。今回は、その第4弾として、武庫川女子大学薬学部の村田 成範先生(准教授)にご来校いただき、「泳ぐDNA」というタイトルで、「DNAについて楽しく学ぶ」をテーマに実験・講義をしていただきました。
実験は、マイクロピペットの使い方から始まりました。5.0μLにあわせてからチップをつけ、水で練習をしました。
生徒たちからは「5.0μLってこんなに少ないんや!」「水滴1粒やん!」などの声があちこちであがり、あまりの量の少なさに驚いている様子でした。
生物の授業で「マイクロリットル(μL)」という単位については学習しましたが、実際にピペットではかってその量を見たことはありませんでした。「マイクロ = すごく小さい」という漠然としたイメージが、具体的なイメージに変わったようです。
水での練習が終わったあとは、いよいよ本番です。
今回のタイトルにもなっている「泳ぐDNA」の実験です。電気泳動という実験で、長い鎖状になっているDNAを短くしたものを電流で移動させることで、観察できるようにします。
どのような手順で進めるのかを説明していただいたあと、ピペットを使い、DNAの通る「ゲル」上の穴(ウェル)にDNA断片を流し込んでいきました。
本番ということで、同じグループの数名に見つめられながらの操作は緊張するようで、真剣そのものでした。
電気泳動は少し時間がかかるため、その間、DNAについて講義をしていただきました。自分のDNAを見てみよう!ということで、次の実験です。綿棒で口内の細胞をこすって取り出し、観察しました。
15分ほどの実験で、DNAを見ることができました。
電気泳動のDNAも、UVランプを使って観察しました。教科書や図録の写真でしか見たことのない実験結果を自分たちの目で確認できたことで、生徒たちも興味津々に観察していました。なかには写真におさめている生徒もいました。
以下、生徒たちの感想です。
- 普段、授業などであまりやらない実験ができてよかったです。深いことが知ることができて良かったです。人間と大腸菌の構造は数倍しか違わないということには驚いた。
- 将来、薬学部に行こうかなと思って、このRYSを受けました。一番、印象に残ったのは、自分のDNAをとったところです。この経験を胸に、将来、薬学部に行こうと決めました。
- 自分のDNAを見ることができるなんて思ってなかった!ビックリした。種類を変えることによって、DNAが泳ぐ距離が変わった!DNAについてもっと興味をもった!
- DNAは不思議なものだった。人間の体はすごいものから造られている。
- 授業では触れることのできない実験ができてとても良かった。生物でやった内容がたくさんでてきて、復習にもなりました。受けて本当に良かったと思います。将来、このような内容を大学でもできるように頑張りたいと思います。本当に楽しかったです。ありがとうございました。
「文部科学省科研費15K01674により実施」