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【RYS】RYS74「『緩まないネジ』を世界に! ~大阪の中小企業のチカラ~ 」

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 8月8日(火)、RYSの団員16名は、東大阪の高井田にあるハードロック工業を訪問しました。

 ハードロック工業は、ナットを作っている中小企業です。「緩まないナット」を作る高い技術をもち、新幹線や明石海峡大橋、そして東京スカイツリーにもそのナットが使われています。その優秀さから、国内のみならず、海外からも視察団が来られる注目度の高い企業です。

 今回は、このハードロック工業の工場を見学させていただけるという、非常に貴重な機会をいただきました。

 まずは、ハードロック工業がどんな会社なのかを知る動画を鑑賞したあと、若林社長さんから1時間ほど講話をしていただきました。

<若林社長とハードロック工業が紹介されている記事へのリンクはこちら

 若林社長は、大学を出た後、設計関係の仕事を7年間していました。その際、たまたま資料を取りに行った国際見本市で「ゆるまないナット」を見て、「自分ならもっと簡単に作れるはず」と、ご兄弟と友人との3名で「Uナット」という会社を始めたそうです。

 その会社はすぐには軌道に乗りませんでしたが、1年くらい経ってから徐々にその評判が広がり、徐々に売れるようになってきたとのことです。

 その後、住吉大社の鳥居を見て、「くさびがあれば更に緩まないナットが作れるのでは」と考え、新たにハードロック工業を立ち上げられました。3年間は全く売れず、その間は卵焼きを作るフライパンやトイレットペーパーホルダーなどを発明し、それで生計を立てていたそうです。

 その後、ハードロック工業の作る緩まないナットの評判が徐々に広がっていき、現在では新幹線やゆりかもめ、イギリスや台湾の高速鉄道など、日本のみならず、世界中でハードロックナットが使われています。驚くべき事に、42年前に開発した技術が、現在でも使われているとのことでした。小学校や中学校の社会や技術の教科書にも、ハードロック工業のことが紹介されています。

 若林社長は、たらいの水をたとえに、「自分の利益を引き寄せようと商売をすると、徳はどんどん逃げていってしまう。人を喜ばせるという思いで商売をすると、徳はどんどん近寄ってくる」ということを教えてもらいました。生徒達は大いに感銘を受けていたと思います。

 その後は、工場内の見学をさせていただきました(撮影禁止のため、写真はありません)。安全性を確認するための実験の現場を見せていただき、製品として世に出す前には、厳しいチェックを受けていることもわかりました。たとえば新幹線に簡単に取れてしまうネジが使われていれば、安心して乗ることができないでしょう。我々が日々安全に生活ができるのは、こういった技術のおかげだということを生徒も実感できたことでしょう。

 

 若林社長さん、ハードロック工業のみなさん、ありがとうございました!

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<生徒の感想>

  • どんなにすごい会社でもたくさんの努力や失敗や製品の改良を加えて成功し最初から成功したのでわないとわかった。最初からまき続きた種がやがて大きくなって成功につながると学ぶことができた今回のRYSは本当にためになった。
  • ハードロックの仕組みや緩まない理由など今まで知らなかった事などが色々知れて良い経験になりました。新幹線や橋などに使われていて事故などを防いでいると思うと、とてもすごいナットだなと思いました。とても貴重体験になって良かったです。
  • 厳しいテストでも全く緩まず、新幹線ではなくてはならない存在になっているナットの仕組みを簡単に説明していただけたのが良かったです。また社長さんのおしゃっていた自己中心的な考え方は自ら不徳をまねくという話は心にしみました。
  • ハードロックのナットやねじは世界的に認められています。私は、『緩まないねじ』が東大阪のハードロック工業にある…というただ漠然としたイメージしかありませんでした。 実際に訪れ、工場内部見学や工場長の開発に至った経緯についての話しを聞き、地元大阪にこのような世界的な品質の製品を作る企業があることを知れて本当に良かったです。無知は恐ろしい。
  • 今回のRYSはどっちでもいいと思っていたけど、実際に参加してみて、緩まないネジがどのようにして出来たのかや、そのネジの仕組みがどのようになっているのかや、そのネジの必要性を知ることが出来たので、いい経験になった。
  • 社長の体験談やハードロック誕生の秘密や電車の運転、プラレールなどこれまでに見たことも無いものや体験したいと思っていても出来なかった体験ができて良かった、これからもこのような体験があったら出来るだけ行きたいです。
  • ハードロック工業という会社は世界の名だたる企業に絶対に緩まないという安全、技術によって信頼を得ていて、信頼を得るのにどれほどの労力と時間がかかるのか、また、信頼を得るのにどれほどの試行錯誤を繰り返しているのか身にしみてわかるきがしました。
  • 僕はこのRYSを申し込んで正解だと思いました。何故なら、自分の夢に関して視野を広げることができたからです。自分の進みたい工学科は、ただある部品を使ってものを造っていく、という物だと無意識に思っていました。しかし、今回のRYSで、ものを作るための部品を造ることも、1つの重要なことだと思いました。自分の夢は変わりませんが、部品1つ1つを造る人もいるのだということを再認識し、深く敬意を払いたいと思いました。

 

<ご協力いただいた方のページ>

 青少年進路支援協会(コーディネーター)

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