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【ビブリオバトル】大阪府中高生ビブリオバトル 予選

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11月12日(日)、大阪府ビブリオバトル大会の予選が行われました。

 ビブリオバトルとは、出場者は自分の推薦本を5分間発表して、観客が1番読みたくなった本はどれかを競う大会です。
 本校からは、中学生の部と高校生の部に1人ずつ、校内予選を勝ち抜いた2人が出場しました。

 結果としては、どちらも予選敗退となってしまいました。
2人も他の出場者も、練習を積んで当日に挑んできたということがよくわかる発表でした。選んだ本から感じた内容や考えたこと、この本を薦めたいと思った理由など、いろんな発表を聞く中で、プレゼンが上手いかどうかという観点だけが「読みたくなる本」ではないということを感じました。

 予選大会に出場した2人はもちろん、応援に来てくれた生徒も、いろんな生徒の発表を聞くことができ、いい経験になったと思いますので、今後のプレゼン能力の向上にも期待したいと思います。

 ちなみに、2人の発表は次のような内容だったので、是非これらの本を手に取ってみてください。 ※生徒の言葉を要約したものです

・「十字架」 重松 清 著 (講談社文庫)   ※2016年に映画化されています
母に「今読むべき本だ」と勧められてこの本を読むことになった。本の内容は、いじめが原因で自殺するクラスメイトの遺書に、「親友」として名前が書かれていたことから、関係者となった中学2年生の主人公のストーリーだ。この本を読んで、人を傷つける言葉には、言われた瞬間に痛みを感じる「ナイフの言葉」と、言われてからずっと苦しい思いをする「十字架の言葉」がある。どちらも人を傷つける言葉として変わりなく、きっと皆さんの周りでもそういった言葉を聞かない訳ではないと思う。いじめは、いつ誰に起こるのかはわからないし、子どもだけでなく大人にも起こりうる。この本を読んでいじめについて考えさせられたし、母の「今読むべき本」だと言っていた言葉の意味がよくわかった。これから周りの人と支えあって生きていく、また今そうして生きている中で、周りの人を傷つける言葉やいじめはあってはならないものだ。大人も子どもも一人一人がそのことに向き合い、考えを深めるためにも、この本を薦めたい。

 

・「ソウルメイト 奇跡を支えた魂の絆」 木村 秋則 著 (扶桑社)
※2013年に映画化された「奇跡のリンゴ」の裏話です
「奇跡のリンゴ」を知っている人もいるだろうが、これはその奇跡のリンゴを作った人が書いた本だ。「奇跡のリンゴ」の内容は、リンゴは農薬を使用した栽培が主流だったが、体の弱い妻のために無農薬栽培を実現させるというリンゴ農家のストーリーだ。そしてこの本には、それを実現する主人公(著者)と、家族やそれを支えた関係者との絆が主に書かれている。題名の「ソウルメイト」とはそれに関連したキーワードだ。また、人への思い・絆についてだけでなく、奇跡のリンゴを実現するにあたって、著者が日本の社会や、日本の農業に対して思ったことや感じたことも書かれている。元々農業に興味があったわけでもなかったが、この本を読んで、ノンフィクションだからこそ感じるリアリティや、そこから考えさせられる日本社会が抱える課題を通して、人生における大切なことを学んだような気がした。大切な人たちとの絆だけでなく、日本社会全体の課題についても考えることができるので、この本を薦めたい。