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【RYS】白熱教室十一「スマホやデジカメの中をのぞいてみよう」

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 3/22、三菱電機株式会社の方2名にご来校いただき、出前授業をしていただきました。

 三菱電機は、みなさんにとってなじみのあるエアコンや冷蔵庫、テレビだけでなく、エレベーターやエスカレーター、天体望遠鏡や人工衛星なども扱っており、今現在活躍している「気象衛星ひまわり8号・9号」も三菱電機製です。

 今回は、「IC・エレクトロ製品のしくみ」というタイトルの授業をしていただきました。

 まずは、班毎に分かれ、携帯電話やスマートフォン、デジタルカメラ、iPodなどをバラバラに分解しました。普段できない経験ですので、生徒達も興味津々で取り組んでいました。

 それぞれ、中には小さい部品がたくさんありました。それらが何なのか、おふたりが解説して下さいました。

 様々な部品の中でも、重要な役割を担っているのは「LSI(large-scale integrated circuit) :大規模集積回路」です。小さく黒い、ゲジゲジとした足をもつ部品といえば、イメージがわく人もいるでしょう。

 

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LSIのイラスト(フリー素材より)

 

 LSIはいろいろな計算をする回路です。例えばゲーム機であれば、アニメの絵を動かすのも計算が必要ですし、テレビであれば、電波から信号をひろい、計算をすることによって絵や音に戻しています。

 コンピュータは0~9まである10進数ではなく、0と1のみしか存在しない2進数により計算を行いますが、LSIに電気が流れる・流れないのスイッチによって、この0と1を表しています。そして、1つのLSI(おおよそ1cm四方)の中にはなんと100億個!のスイッチが入っており、更にその1つのスイッチは1秒間につき10億回!もオンオフの切り替えができるのです。このとても小さなLSIが高速で計算することによって、我々の身の回りの電化製品が動いています。

 しかも、このLSIの進化のスピードはすざましく、スイッチの数は7年ごとに約10倍、スイッチの速さも10年ごとに約5倍の進化をしているとのことでした。

 このLSIの進化が、そのまま我々をとりまく科学技術の進化に繋がっています。例えば、今我々が使っているスマートフォンは、もし30年前の技術で作ったのであれば、その大きさは今のスーパーコンピュータのようなとても巨大なものになるとのことで、それを聞いた生徒達は驚いていました。

 しかし、残念なことに、このLSIの開発について、かつては隆盛を極めた日本メーカーはすっかり諸外国に遅れをとってしまっています。三菱電機のおふたりからは「みなさんの世代で巻き返して下さい」と熱いメッセージをいただきました。

 LSIの動作原理の話などは少し難しかったでしょうが、生徒達にとっては、普段使っているスマホやデジカメなどのすごさを改めて知ることができたのではないでしょうか。また、日頃習っている数学や物理、化学などの知識がこれらの製品の中に詰まっていることも知り、日頃の学習の大切さを知ることもできたと思います。

<生徒の感想>

  • 普段使っているスマホやパソコンは、1秒間に何億回という計算をしていると聞き、驚きました。LSIは「産業の米」と呼ばれていることも知ることができました。たくさんのことが知れて良かったです(3年男子)
  • 電子機器にはLSIという部品が大量に使われており、それが産業の進歩に必要不可欠なことだと知った。自分の興味のある分野だったので、大変惹かれた(3年男子)
  • 毎日のように使っている携帯やカメラの中では1秒間に何億回という計算がされていたと知らなかった。iPodminiを分解できて、感動した。LSIの話は難しかったですが、聞けて良かった(3年女子)
  • 日常生活の中でよく使っているパソコンやスマホの構造について知れて、とても面白かった。実際に分解もできて楽しかった(4年男子)
  • 昔からあったガラケーもとても小さくてうすいモーターが入っていて、ビックリした。とても良い勉強になった(4年男子)

 

<ご協力いただいた方のページ>

 青少年進路支援協会(コーディネーター)

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