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【RYS】白熱教室十二「遺伝子の謎にせまる ~自分のDNAを見てみよう~」

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 3月23日、武庫川女子大学薬学部の村田先生に「遺伝子」についての出前授業をしていただきました。村田先生に授業をしていただくのは、昨年3月を含めて2回目となります。前回は3~5年生対象でしたが、今回は1~2年対象の授業でした。

 <過去の記事> RYS白熱教室その四「泳ぐDNA」

 授業に入る前に、次の3つの質問について考えました。

①「遺伝」「遺伝子」のイメージ
②親からもらってよかった遺伝
③親からもらいたくなかった遺伝

 生徒たちの答えを聞いていくと、さまざまなことを書いてくれていました。髪質(くせ毛)が遺伝するのではないか?他にも身長、目の色、骨格、指の長さ、抗体(体内の免疫システムに関係します)など、遺伝しそうなものやイメージを答えていきました。

 実は、身長が遺伝する割合は100%ではないそうです。生活環境や栄養状態も関係している、ということですね。身長を伸ばしたい人は規則正しい生活を。

 講義が終わって、次は実験です。遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸)を自分の体内から取り出して観察しました。まずは説明をしっかり聞きます。

 綿棒で頬と歯茎の間をこすり、細胞を採集します。

 採集した細胞をチューブの中に入れ、体温で20分ほど温めます。さて、きれいにDNAを見ることは出来るのでしょうか。友達同士でも、お互いにどうなったか確認しました。

 ほとんどの生徒がきれいに抽出できていました。

 次はマイクロピペットという器具を使わせていただきました。マイクロピペットとは、マイクロリットル(1μL=1mm×1mm×1mm)単位の微量な液体を移動させたり、量り取るピペット(分注器)です。2µLという量がどれほどのものなのか、水をはかりとって自分の指に出します。

 2µLは想像以上に少ない量だったようで、生徒たちも驚いていました。

 講義も終盤に入りました。最後はゲルとよばれる大腸菌を使って作る寒天についてです。ゲルでどんな実験ができるのか。今回は実施しませんでしたが、ゲル中に通電してDNAを泳がせることでDNAの大きさを分ける電気泳動とよばれる実験で使用します。(前回の出前授業では実際に実験・観察をしました。)DNAの大きさによりゲルの固さを変えて実験します。今回は2種類のゲルを実際に触らせていただきました。

 電気泳動の実験器具も実際に見せていただきました。

 今回の授業は「遺伝」に関する話が盛りだくさんでした。なかでも、村田先生が学会に行かれた際のお話で、DNA分子の二重らせん構造のモデルを発表した科学者がとても長身だったお話は盛り上がっていました。教科書だけでは知ることができなかったことがたくさんありました。

 今回は1・2年生対象でした。2年生は今年の5月、1年生は来年の5月から高校生物の内容にうつっていきます。DNAについてもじっくりと時間をかけて勉強していきますので、この授業内容はおおいに役立つのではないかと思います。遺伝子研究は急速に進んでいますので、今後の新たな発見にも関心をもっていきたいですね。

<生徒の感想>

  • 話はむずかしかったけど楽しかった。(1年女子)
  • 遺伝子のことを今まで何も思っていませんでしたが、この白熱教室で学べて良かったです。(1年男子)
  • 遺伝子の話を聞いていて思っていたよりも楽しいものだったので良かったです。(2年男子)
    母と父から30億の遺伝子をもらい、母と父は祖父母からもらい…合計60億という莫大な数の遺伝子が私に繋がっているのかと思うととんでもない話だと思いました。(2年女子)
  • 生物の遺伝は化学と結びついていることが分かった。また、理科部では使えない器具も使えていい経験になった。(2年男子)
  • 遺伝子の中に30億個の文字が並んでいることに驚いた。自分の遺伝子は父・母からだけじゃなくて、母方の親族や父方の親族の遺伝子も含まれていることを知った。ゲルを触ったのが楽しかった。(2年女子)

「文部科学省科研費15K01674により実施」